ロボットとスクラッチ・マイクラ講座の本質的違い

ロボット講座を5年以上やっていて気づいた点がまずあります。
ロボットは組み立て+プログラミングの2段階で作りますが、

  • 組み立ての得意不得意がある。
    一般的にプログラミングの方がレベルが高いと思いきや(組み立てだけなら幼児向け)、実は組み立て(空間認識が不得意?)で、プログラミングが余裕の子も結構います。
  • 基本学年フリーなので、(大人目線で)内容理解を重視すると、対象は小4以降が良い。でも、ロボット・ブロック本来の楽しさ・好奇心を考えると、小2前後がベスト。
    小2前後開始だと楽しすぎる反面、内容理解が追い付いてこない悩みがある(指示書通りに、意味わからず作って、動いて遊ぶ感じが増える。)。
  • ブロックの応用講座もあるが、これはITよりロボットを選択する子が対象。
    一般的には、ロボットが入門・導入で、メジャーなスクラッチも少し楽しんで、そのままITプログラミングやIT実務に移行していくのが王道なので、ロボット講座を卒業した後を考えて講座選択・教室選択してほしい。
    わざわざ他教室で一旦ロボット講座を卒業してから、AGSへ途中編入希望者が結構います。この理由が大半です。
  • タミヤ講座は基本和製で、メインがタミヤ製品、プログラミングが独特。
    電子工作に近いメリットがある一方で、プログラミングはスクラッチと別物。
  • レゴ講座もレゴ製品で、メインがレゴブロック、おまけがプログラミング。
    ブロックパーツの出来や良すぎて、部品代が気になるのと、プログラミングもサブでそれに引きづられている感じがする。。
  • アーテック講座は知名度が低いのが功を奏して、一番スクラッチに近い。ブロックはマイクラに近い。(AGSも総合的に敢えてこちらを選んでいます。)

ロボットとIT(マイクラ・スクラッチ)との違い。
技術立国や理系技術者どころか、大人になって趣味で電子工作が楽しいと思う人々はまだましかもしれなくて、大半の大人は全く電子工作にふれることなく、家電やスマホ・PCが壊れたら買い替えしか考えていないのも、将来の日本は危ういと思う理由です。

  • ロボットはリアル3D。ITは2Dが基本。
    マイクラも2D画面の中に3Dがあるので、AGSとしては、あくまでプログラミング技能向上がメインなら、マイクラプログラミングよりスクラッチをやはりお勧めします。。
  • リアル3Dは、電池の消耗、接触不良。ブロック破損など予想外トラブルも多い。
    小学生はまだ指先が器用でないので、ブロックや配線もよく壊します。加減がわからないので、モーター損傷も結構ある。買い替えが面倒でお金がかかる。
    ITプログラミング以外の要素が結構多く、それが楽しいかつまらなくなるか二極化する。
  • 2D画面のITは、無茶してもリセットするだけなので、ITプログラミングに集中して楽しめる。その代わり、無茶な設定や調整をすると壊れる感覚が実体験できないので、機械工作や電子工作的な感覚はそれほど鍛えられない。
    スクラッチレベルなら簡単すぎて楽しい反面、その上のIT基礎プログラミングに移行した時の文字打ちプログラミングが全くできない(拒否する)場合もあるので、スクラッチはいつ卒業するのかがポイント。
  • マイクラもブロック座標周り以外のプログラミングは、面倒でマニアックなので、それが次のITプログラミングにつながっていくかというと、かなり疑問。
    客寄せパンダ講座的で、オンラインフランチャイズ講座が多いので、やり切ったら次どうするのか、が一番心配。
    今更スクラッチ講座もできないし、ITプログラミングともあまり関係ないしといった感じです。マイクラコマンドは英語の勉強になるし、良いと思うが、これもITプログラミングへつながるかというと別物。。
    IT基礎プログラミングも経ないで、いきなりunity講座を小学生に勧めるチラシもあります。。

いずれにしても、小学校高学年・中学・高校生に繋がる本物のITプログラミングにつながればよいですが(親はそう勘違いしている場合がほとんど)、実際はそうではない。
また中学になると勉強メインでやらざるをえなく、ITはまだ単純な小学生の習い事だと思っている場合(そういう講座が多いのでやむなしですが)、中学生になるとITはやらない。

高校で情報科目もやるまで、ブランクが空く。
勉強に余力がある子に(大学受験や留学を考えて)、ITを地道に継続してもらうにはどうしたらよいのかがこれからの課題です。

ITと勉強、両方一流になってほしいというのが、万人の親の願いですが、現実は勉強できる子は中高でITがおろそかになりがち、勉強が出来ない子は中学で勉強でテンパってITは断念。不登校や学習障害なら、比較的本人もやる気になるITをきっかけに活路をみいだしてほしいが、一歩間違えるとゲーム中毒が進むだけ。
親の共働きが当たり前になった今、時間とお金両方で、塾とIT教室両方対応していくのも大変。
でも、ネット化でビデオやオンライン学習教材は使えるが、やはり子供たちに任せると隠れて遊ぶので意味がない。どこかに通わせないといけない。
悩みはつきないです。。