ITと電子工作と教育

まずは勝手な分類分けのお話。

ITと情報処理は、ITは今風の実務で、情報処理はIT用語ができる前の言葉で、主に大学や資格名で、学術的な理系用語のにおいがプンプンするもの。。日本がITに弱いイメージが残るので、情報1とか情報2などの高校での科目名も本当は止めてほしいと思っています。

IT自体も幅広すぎて曖昧で、そろそろもう少し細かい単位で話が出てほしいです。
勝手な解釈ですが、まず大人向けIT実務と子供向けお遊びのきれいなIT。
スクラッチなどのブロックプログラミングは本当はITではないので、中学生以上でスクラッチは本人がやりたくとも絶対に勧めません。
IT分野もプログラミング系、PC系、インフラ/クラウド系、セキュリティ/ネットワーク系など、その時々で分類しています。
昔は現場の電子工作系の事もやるITの人は多かったかもしれませんが、今はITがより複雑分化して、両方できる人は少ないと思います。またプログラミングもノーコードやAI導入でプログラミング単独という範疇や仕事も今後なくなるような気はします。

ITも今年位からは、AI分野以外ではあまり革新的なものがなくなってきたと言われていますが、地に足のついたIT職という普通の職業になり、AGSとしてはITの得意分野と電子工作系が両方できる人材の方が良いと思い始めています。

電子工作と教育の話をすると、皆小学生の時にコイル電池で動く車を作る以上はほぼやらない(知らない)と思います。はんだ付けもたぶん彫刻刀以上に危険だということでたぶんやらないでしょう。
大半の普通科高校生は電子工作はしないで、文系は情報科目で用語がでるかどうかだけです。理系は物理の電磁気学で、暗記公式を使ったきれいな問題演習がメインです。
中身を理解しようとすると、微積理解が必須であり、結局数学センスの有無次第となります。
偏差値が低い工科高校でははんだ実習があるようですが、中学理科の直流のV=IRの問題が解けないままで、高校でいきなり中学の復習+交流回路やトランジスタやMOSFETまで一挙にやるようです。
義務教育の中学までが中身が薄くて、高校になって急に難しくなり、文理を決める学年で、始めて微分積分を習って、(悩むまでもなく)絶望して文系選択をする大学生が年々増えている制度的な問題にもつながってくると思っています。

理系を増やしたければ、中学で学ぶ量を増やして高校で学ぶ量を減らして、もう少し自分に理系センスがあるかどうか悩んで勉強する時間を増やしてあげる方がいいんじゃないかと思います。
義務教育だったりゆとり教育で逆行してきたので、高校で急に理系重視校を増やすしかないんでしょうが。。
技術立国や理系技術者どころか、大人になって趣味で電子工作が楽しいと思う人々はまだましかもしれなくて、大半の大人は全く電子工作にふれることなく、家電やスマホ・PCが壊れたら買い替えしか考えていないのも、将来の日本は危ういと思う理由です。

大人になっても、ITはまだやろうと思えば本やPCを買えば勉強はできますが、電子工作は学生時代に少しやっておかないと絶対に手を出さないと思います。せっかくEVや電動自転車やソーラー発電なども出てきているのにもったいない気持ちです。
なおCQ出版社などとも一切関係ありません、単に購読しているのみです。